ワンネスサポート ブログ

カウンセラーの乗り越え体験

2013年12月27日
カウンセラーにも、まだ「若手」と呼ばれる方もいらっしゃるし、
私のように「中堅」?という立場、
もう数十年もやっていらっしゃる大先輩もいる。

若手だからと言って力が足りないことではないことは
あらかじめ付け加えておく。

しかし、若手は経験値が浅いため、さまざまな問題にぶち当たり
迷い、葛藤し、悩む。
(それはそれで必要であり、大切なプロセス)


今日は
ある若手カウンセラーAさん (30代後半)のお話をしようと思う。


彼女の対象とするクライアントは
非常に難しい相手だった。

通常
カウンセリング絶対必要なのは
本人の変わろうとする「意欲」である。
しかし
彼女の場合は、いわば「強制面接」
本人はその気がないけど、目的があり、カウンセリングを受けさせられる・・・
そんな対象者だった。


通常、
本人が意欲をもって
時間とお金を創りあげ、変わりたい目標を持ってくるのだが
その対象者は
仕事に就くための意欲喚起をの面接だった。
そう
生活保護の方への意欲喚起カウンセリングなのである。


実は私も
その対象者の意欲喚起のカウンセリングはしている。
A子さんより、ちょっとだけ経験がある。

強制面接の場合、殆どのカウンセラーが壁にぶちあたる。

だって
どれだけ相手のために、熱心に傾聴しても、アドバイスしても
共感しても、響かないから・・・

カウンセラーとして私、何もできない

相手はまったく必要としていない(だって、下手に働くよりも今の方が楽だから)

常にケースワーカーから評価をされる立場

ケースワーカーとの見立ては異なることもあり、衝突もする。


少しでも
相手が変わった、成長した手応えがあれば、やりがいにつながるのだが
まったくそれが見られない場合、自分のやっていることに対してへの意義への葛藤
自分の存在価値への苦悶の渦に巻き込まれるのだ・・・・

これは本当にきつい


だから
「無気力」状態になる。
ちょっとしたうつ状態かもしれない

そんな時、彼女の話を聞いた

半分はグチだ。
同じ仕事をしている立場でもあるし、
彼女のきつさは、私にも思い当たりまくり。

もう
この仕事、辞めてしまうのではないか・・・というくらい思いつめているようにも見えた

その時

カウンセラーって無力なんだよね・・・と

カウンセラーである自分が、どれだけ必死に相手のために
カウンセリングをしても、
相手本人が変わりたい、問題を認識し、なんとかしたいと思わない限り
何もできないんだよ・・・と伝えた。

その瞬間、
彼女の目から涙があふれる・・・

彼女の中で
悶々としていた葛藤、
スッと消えた瞬間。


A子カウンセラーは 
またひとつステップを乗り越えた瞬間であった。

カウンセラーとして成長するプロセスは
決して平坦なものではないし、
どこまでいっても
自分と向き合う作業の連続なのである・・・・

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