その青年は
前回のセッションではそのことについて語ることは出来なかった
本人にとって
「己の事」を語ることは、
とても勇気がいる場合が多々ある。
その時期を待つこと
クライアントの中で準備されるまでの時期を待つことの
重要性・・・・。
そして今回
彼は、身体を震わせながら語る。
身体を震わせながら、凝縮させながら
眼には光るものが伺えた
この上ない恐れ
この上ない緊張と寂しさと・・・。
それでも本人にとって語ることには
大きな意味がある。
自分以外の誰かに
自分の秘密を打ち明ける
誰にも話してこなかった、封印してきた過去を言葉にする
自分が今までの人生の中で
ずっとずっと抱えてきた重荷を降ろすことは
実際に体験したものでないとわからないのかもしれない・・・・。
己を裁く事の意味
彼自身が抱えてきた重み
話した後
彼の表情には、安堵の笑みが漏れていた
人の計り知れない素晴らしさを感じた
そして
相手の無限の可能性を見た気がした瞬間だった・・・・。