長い間の
呪縛から
やっと解き放たれたヒトがいる。
その女性はとても聡明で
とても礼儀正しく
きちんとしている
年相応の上品な顔立ちで
スラッとした髪の長い女性
笑顔がとてもチャーミングで、何も悩みなんてなさそうな感じ
ただ
ひとつ
自分の人生を生きていないことを除けば・・・・
彼女はずっと
母の人生を生きてきた。
50年間。
母の機嫌を伺い
母の好きなことをし
母の買ってきたものを大事にし
母の言うとおりに生きてきた
彼女がつくった食事は
汚いと言い・・・母が再び作りなおした。
または
スーパーでお惣菜を買ってきた。
彼女が洗った食器は
まだまだ汚れがこびりついていると言われ
全て
洗いなおされた
あんたの洗った食器は汚い・・・と。
幼いころ
自分の同じくらいの大きさの
大きな大きなペンギンと
大きな大きなフクロウのぬいぐるみも
母が一目見て気に入って
彼女に贈ったプレゼントだった。
ちっとも嬉しくなかった
でも
捨てるわけにもいかないし
何よりも
嬉しいふりをしないと
殴られた
セッションを進めるうちに
どんどん彼女は変容していった。
母から離れ
別々に暮らす
母から与えらえれた全てのものを
処分しようと決意する。
たくさんの食器
さくさんの洋服
たくさんの雑貨
全て母が
与えた(押しつけた)ものばかりだった
全て捨てた。
食器は
地面にたたきつけて割ったりした
涙がこぼれた・・・・・
ずっとずっと
縛られて生きてきたんだ
ずっとずっと
母の人生を・・・・
涙が止まらなかった
母の選んだ食器を処分したら
食器棚はほとんど空になった。
そのかわりに
心が晴れやかになった。
大きな大きなぬいぐるみも
感謝の気持ちを伝えて
さようならした。
さようなら・・・・ペンギンちゃん
さようなら・・・・ふーちゃん
さようなら
昨日までの私・・・・。
決別した瞬間だった。
今
彼女は
新しい挑戦を始めている。
とてもとても
輝かしい、
新たな旅立ちである・・・・。
心から
応援いたします。