74歳だった。
病院からリファーされたクライアントさんだったので、
ドクターの紹介。
当初、
私に対して、ものすごい猜疑心を持たれてた・・・。
白衣は着ているものの、
どう考えても、自分の子供より若くみえる。
どういった資格で、どんな経歴で
どんな手法をするのか、こと細かく聞かれた・・・・。
ま、
そりゃそうだ・・・。
正直に
あなたにどこまで自分の心の内を話せるのか、自信が持てない・・・とも言っていた。
そりゃ
そうだろう・・・・。
そんな彼も
今日で7回目。
その間、ずいぶんと変化した。
当初
奥様との関係で、どうしようもなくなって来室。
病気の後遺症で、
感情のコントロールができなくなった奥様への
対応
心ない言葉に
74歳ながらにひどく傷つき
焦燥感にあふれていた。
見ていても
気の毒に感じた。
おそらく
社会では、相当な地位にある方なんだろう・・・。
しかし
家族の前では
ボロボロに傷ついていた・・・。
○十年もの前の出来事を
妻からネチネチと言われる。
妻は 家にある、お金すべて持ち出して
行方不明になったこともあった。
仕事一筋にやってきた彼の今までの生き方すべてを否定されるような言葉さえ
浴びせられてきた・・・・。
一時は 「どうなるだろう・・・ 」 と
私自身、とても不安感を抱いた。
そんな彼の言葉
「みえこを守るのは、俺しかいないんです・・・・」
(みえこ 仮名 は奥様の名前)
「他の全てを 敵に回したとしても、 俺があいつをわかってやらないと・・・・」
涙が出た。
覚悟を決めた、男の言葉
心が動かされた。
みえこさん、ちょっとうらやましく思った・・・。
74歳
まだまだ 人生、これからですね
